室内の壁(石膏ボード)にモルタルを塗ろう|壁塗りDIY

当ページのリンクには広告が含まれています。

部屋の壁のDIYで、これまで壁紙の貼り換えや塗装をやってきた。
そろそろ新しいこともやってみたいと思っていたので、モルタル塗りに挑戦することにした。

DIYでモルタルを塗った壁

あまり綺麗ではないが、そこそこカッコいい壁になったと思うので興味のある方はご覧いただきたい。

モルタルについて

言葉は知ってても詳しくは知らないって人がほとんどじゃないだろうか。モルタルと混同されやすいコンクリート・セメントとの違いを紹介しておこう。

素人には分かりにくいセメント・モルタル・コンクリートの違い

大体こんな感じだと思う。で、DIYで内壁に塗るのならば実質モルタル一択となる。

なぜ壁塗りにはモルタルなのか?

施工方法としては、石膏ボードの上にコテを使って薄塗りすることになる。

コンクリートは砂利が入ってる時点で薄塗り不可能だし、表面を綺麗に仕上げるのも素人には無理だろう。コスト面で有利だけど、壁塗り程度の厚さならモルタルでも激安。(詳しくは後述)

一方でモルタルなら数㎜から薄塗りが可能だし、素人がやってもそれなりに見れるレベルに施工できる。めっちゃ硬い塗料みたいな感覚で塗っていけるので作業性もとても良い。

そもそもコンクリートは壁に塗れるようなもんじゃない気がする。

モルタルのコスト

でもモルタルってお高いんでしょう…?

と思う方は少なくないだろう。かくいう私も同様に考えていたが、実際には驚くほど低コストでできちゃうのだ。

ワンモル補修用と広範囲に塗ったモルタル

今回使用したのは近所のコメリに置いてあったトーヨーマテランのワンモル補修用。25kgで2000円ちょっとなのだが、リビングとキッチンの壁を全て塗っても半分ぐらい残ってる。すごくない?

もっと安いコメリPBのモルタルもあったけど、骨材が粗いので表面の凹凸が大きくなりそう。滑らかな表面にしたかったのでワンモルにした。よっぽど金欠でもない限りこっちの方が後悔しないと思う。

大容量のモルタルはホームセンターで買う方が安い。大きめのホムセンなら間違いなく置いてるので探してみよう。広い面積でないのなら↓のような少量をネットで買うのもアリ。

モルタル塗りに必要な道具

モルタル塗りに必要な道具一覧

こんな感じの道具が必要。盛板はパテ盛り用の使いまわしでいいし、トロ舟は専用のものでなくても大きめの容器があればそれでOK。はかりは高重量に対応できる物が必要だが、感覚で混ぜて使っても特に問題ないと感じる。最低限で済ませたいなら、トロ舟とコテがあればどうにかなると思う。

モルタル鏝もいろんな種類があるけど、300㎜程度の安価なプラ製で十分だと思う。部屋の壁に使うなら角部も綺麗に塗れる剣先形のやつがいい。僕はコメリPBの似たようなやつを使ってるけど不満はない。

モルタル接着増強剤

一斗缶のモルタル接着増強剤とローラーセット

必須なのかは分からないが、水で希釈して塗ったりモルタル自体に混ぜたりして接着強度を上げるものである。ポロポロ剥がれてきたりしたら面倒そうなので買っておいた。

4倍に希釈したり少し混ぜて使う程度で使用量は少ないから、コスト面でもそこまで変わらない。

一部屋しか塗らないのなら1Lでも十分すぎると思う。僕はよく調べもせずにコメリにあった一斗缶を買ってしまったけど、使い切れる気がしない/(^o^)\

下地処理作業

壁紙を剥がす

既存の壁からリフォームしていくのなら古い壁紙を剥がしておく必要がある。薄い裏紙が残る場合は、水拭きで完全に除去してしまおう。石膏ボードの表面まで剥がしてしまうと面倒なので、剥がし方が分からない場合は以下の記事を参考にしてほしい。

関連記事
壁紙を貼り換えよう-はがし編- 壁紙を貼り換えよう-はがし編-

養生をする

建具や床などは必要に応じて養生しておく。気を付けてても垂れ落ちるので、壁際の床ぐらいは養生しておくことをおススメする。モルタル自体は粘度が高いが、希釈した接着増強剤は水とほぼ変わらない粘度なので気を付けよう。

床は古新聞などでも十分だが、建具周りはちゃんとしたマスキングテープを使おう。

接着増強剤を塗る

希釈した接着増強剤

接着増強剤を水で4倍程度に希釈してローラーで塗る。色は牛乳みたいだけど、塗ったら見た目ではほぼ分からない。

接着増強剤の塗布前・塗布後の見た目の違い

写真は塗った直後なのでまだ分かりやすいが、すぐに乾燥して見た目では判断しづらくなる。この時はローラーを使って塗ったが、新たに買うのならコテバケがおススメ。

もう最近塗装はこればっかり使ってる。個人的には完全にローラーの上位互換だと思う。容器はローラー用の物でもいいけど、100均の大きいプラボックスとかで十分。

モルタル塗り

いよいよモルタルを扱っていくが、強アルカリ性なので一応手袋はした方がいいと思う。自分は百均の薄いやつでやってる。途中で外して素手でやっちゃってることも多いけど。

モルタルを混ぜる

配合についてはモルタルによって違うので、使用するものの注意書きなどを読んで欲しい。一応ワンモルについて紹介しておく。

付着力を上げたい場合は、練り混ぜ水にトーヨーモルタル接着増強剤を適宜混入して下さい。(ワンモル25kgに対し、清水約7ℓとトーヨーモルタル接着増強剤1.75ℓ)

ワンモル補修用 取り扱い説明欄 

これを参考に同じ比率で作っていったんだけど、この割合だと泥団子みたいな硬さでめちゃくちゃ作業しづらい。この硬さで綺麗に仕上げるのは無理だと思ったので、水の量を増やすことにした。

使いやすい粘度に調整したモルタル

説明しづらいが、溶けかけのアイスクリームぐらいの硬さ。自分でやってみて作業しやすい硬さでやれば問題ないと思う。作業してる間にも硬化が進むので、たまに水を加えるようにすると良い。緩すぎるようなら逆にモルタルを足せばいいだけ。

適当に塗りたくる

コテにモルタルを付けて塗りたくっていく。掬い取るようなことをしなくても、コテの面にある程度の量がくっついてくるので意外に塗りやすい。“塗る”というより”擦り付ける”ような感覚。

大きい段差にモルタルを厚塗りして誤魔化している写真

壁紙や普通の塗装と違って多少の段差も無視して作業できる。モルタルを部分的に厚塗りすることで凹んだ部分を無かったことにできる。

モルタル壁塗り施工中の写真

滑らかな表面にしたいなら、塗りつけた後にしっかり均していこう。あえて粗めの表面にしてもワイルドな感じでいいと思う。

スプレーボトルがあると便利

自分が作業やってて一番困ったのが、塗ってる途中に硬化が進んで表面が平滑にならせなくなる点。これの解消に役立ったのが霧吹きだった。

百均のスプレーボトル

100均のボトルに水を入れて、硬くなってきたところに吹き付けるだけ。一時的に柔らかくなるので、コテで均しやすくなり綺麗に仕上げる事が出来る。

すぐに道具を洗う

作業が終わったら、使った道具はすぐに水洗いしてしまおう。そのまま残してしまうと大変なことになるが、完全硬化前なら塗料よりずっと簡単に掃除できる。

メリット・デメリット

さて、実際にモルタルを塗ってみたわけだが、この状態で生活してみて初めて気付いたメリットやデメリットについても紹介しておこう。

メリット

1.カッコいい
モルタル壁にしたい人は大体これが目的よね。モルタル調の壁紙もあるぐらいだし、そりゃ当然カッコいい。素人の下手くそな塗りですらこう思えるのだから、素晴らしい。

施工後のカッコいいモルタル壁

モルタル以外では出せない良さがあると思う。

2.補修がかんたん
普通の壁紙に穴を開けてしまった場合や剥がれが発生した場合、色や柄を自然に合わせる方法を考えなければいけない。全く同じ壁紙を探し出せればいいのだが、これがまた難しい。モルタルならば少量を水と混ぜてサッと塗れば終わりだ。

3.施工難易度が低い
個人的な感想だが、単純な作業難易度なら壁紙よりもずっと低いし、塗装よりも低いと思う。壁紙で起こりやすい破れや浮きは当然出ないし、塗装のような塗りムラやローラー目も気にしなくていい。…でも謎のムラが出たりはする(後述)

デメリット

1.壁紙に戻れない
これはマジでよく考えた方がいい。石膏ボードの表面からモルタルだけを剥がすなんてことは出来ないので、一度モルタル壁にしたら一生付き合う覚悟が必要だろう。

もし壁紙に戻すとしたら石膏ボードごと取り替えて壁紙を貼ることになる。労力も石膏ボード処分コストも結構かかると思う。

2.汚れが綺麗に拭き取れない
特に液体系の汚れだとすぐに吸い込んでしまい、拭き取っても完全に取れることは滅多にない。油や調味料などの汚れが付きやすいキッチン回りには向かない。コンロ周りなんかにやったら絶対後悔する。

油がしみ込み跡が残ったモルタル壁

3.掃除がしにくい
2番と少し被るが、そもそも拭き掃除自体タオルなどの繊維が引っかかるのでやりにくい。頻繁に壁の掃除をするような人だと、結構なストレスになると思う。

謎のムラ

塗りムラは発生しないと言ったが、我が家のモルタル塗りの一部にはおかしなムラが発生している。

ムラの生じたモルタルと塗布前の石膏ボード面

石膏ボードの継ぎ目にメッシュテープとパテを盛っているのだが、そのラインに沿って変色したようなムラが生じている。しかし別日に塗った同じ条件の場所はこのムラが出ていない、なんでやねん。
接着増強剤の塗りが甘かったとのが原因だと思ってるけど、正直よく分からん。分かる方は是非教えて欲しい。なんでもしますからお願いします。

知識の半端な素人だとこんな事もあり得るよってことで頭に入れといてね。

いい感じに隠せそうな方法を考え中…

結論:カッコいいけどデメリットも大きい

個人的にはめちゃくちゃ推したい方法ではあるのだが、はっきりしたデメリットもあるので十分考えたうえで実施して欲しい。特に壁紙に戻す事が難しいので、安易に決めると後悔するかも…

でもやっぱりカッコいいと思うよ!