スライドテーブルDIY | スライドレール+天板でシェルコンカスタム

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キャンプが趣味の先輩に依頼されたものなのだが、せっかくなので作り方を記事にしようと思う。

「人に売れるほどではないけど、自分で使うには十分」みたいな丁度いい感じのクオリティーだと思う。簡単かつ低コストで出来るので、キャンプ以外に興味がないあなたにもぜひ挑戦してほしい。

設計

まず僕はキャンプをやった事ないし、キャンプギアなんて全く知らない人間である。どんな物を作ればいいのかよく分からないので、要望を聞いてみた。

  1. スライド機能は必須
  2. できるだけ本体に加工しないで
  3. 耐荷重はそんなにいらない
  4. 天板が着脱できると嬉しい
  5. 開き方はお任せ
  6. できるだけ低コストで
  7. できるだけ手間をかけずに

このような感じである。7はこっちサイドの都合だけど、重要なので入れといた。これに見合うものが出来たとは思うので、この条件でいいと思えるならマネしてみるといいかも。

スライドレールの取り付け方

設計で最初に悩んだのが取り付け方である。以下の図は、シェルコンの長手方向側面から見たものだと思って欲しい。

一般的なスライドレールの取り付け方

普通のスライドレールの正しい取り付け方は上のようになる。手前方向にスライドさせるスペースが無いので、天板をシェルコンのツラより上に持ち上げる必要がある。
メリットは正式な取り付け方法なので耐荷重がカタログスペック程度になること。デメリットは色々あるが、致命的なのは見た目が不細工になる点だろう。取付用木材もスライドレールも上から丸見えになる。

普通のスライドレールはA・B合わせて1本の2組が販売単位になるから、1個買えばOK

やはり見た目は譲れないポイントだと思うので、推奨されていない方法だが下のような感じで作ることにした。

今作品のスライドレールの取り付け方

これならば閉めている時は上からは取付用木材もレールも見えないので、かなり見た目が良くなる。ちなみに正式にこの取り付け方ができる”底引きスライドレール”というのもあるが、価格が4倍ぐらいになってしまうので今回は不採用。

耐荷重は大幅に下がると思われるが、乗せるのが食事程度とのことなので問題ないと判断した。スライドレール自体は頑丈なの選んでるし天板も小さいし、へーきへーき。

片開きか?両開きか?

当初は両開きを考えていたのだが、短手方向の内寸が370㎜なので200㎜のレールでは長すぎて使えないし、150㎜だと開口が狭くなって使いにくそうだし、コストも上がる。片開きの350㎜が一番ベターな気がするので以下の物を購入。

我が家で使用しているスライドレールはこの4518シリーズだけ。レール長さのラインナップが豊富で、フレームが太く頑丈で、ベアリング入りで滑らかスライドで3段引き*。こんなスペックなのにかなりお安い。他の物を選ぶ理由がなさすぎて、ずーっとこのシリーズを買っている。ホームセンターは何故か価格が高いので、ネットで買うべき。

必要工具

今回は必要な工具はかなり少ない。カットは全てホームセンター任せでOKなので、必要なのはドライバーと下穴ドリルになる。以下の2パターンで自分の都合のいい方を用意して欲しい。

電動ドライバー+センター一発

個人的におススメなのはこちらの組み合わせ。既に持ってるならもちろんそれでいいが、未所持なら以下の物をおススメする。


予備バッテリー付きの電動ドライバーがこのお値段。僕みたいな素人DIYなら10.8Vでパワーは十分だし、ドライバーだけで使用するなら1.5Aでも相当な本数ビス打ちできる。充電中にもう一方のバッテリーを使ってても十分間に合う。
有線式の工具はさらにお安いが、高所や狭所でも使う機会の多いドライバーだけはバッテリー式をおススメする。

下穴ドリルもなんでもいいのだが、スライドレールのような金物のビス穴ど真ん中に開けるのはかなり難しい。そこでセンター一発のような下穴ドリルを使うととても綺麗にできる。

これがあれば大抵の金物のビス穴センターに完璧な下穴が開けられる。下穴ドリルをワンタッチで外すとドライバービットになるので、作業効率もいい。さっさと買っとくべきだったと後悔した工具の一つ。

手回しドライバー+木ネジビット

工具を今回以外に使うつもりが無い人や、極力コストを抑えたい方にはこちらの組み合わせがいいと思う。ドライバー(#2)は百均などでも売ってるし、既に持ってる方が大半だろう。
木ネジビットは手回しで下穴を開けるための物。ピンバイスでも可能だが、木工の下穴加工ならこちらが圧倒的に使いやすい。

見ての通り力が入りやすい形状で、ピンバイスより圧倒的に作業効率がいい。しかもスライドレールなどの金物取り付けなら、たくさんの下穴が必要になるので効率の差はさらに大きくなる。僕も持ってるけど、浅い下穴なら電動ドライバーのビットを付け替えるよりも、こっち使う事が多い。

下穴ドリルとビットの付け替えって地味に面倒なのよね

あと、必要とまでは言い切らないがクランプもあった方が作業はやりやすい。

材料準備

 購入する材料

名称スペック必要数
スライドレール4518-350㎜2本(1セット)
2×4350㎜ぐらい2本
パイン集成材370×500(㎜)以上1枚
おさえ上手(ビス)4.2×17(㎜)4本

天板は手っ取り早く作るなら集成材の使用をおススメする。ホームセンターで購入して2×4と一緒にカット依頼すれば、ジャストサイズの天板が手に入る。

低コストを突き詰めるなら、僕みたいに自作してももちろんOK。
今回作った天板は廃パレットをOSB合板にボンドで貼り合わせてカットしただけの物なので、野地板とか買えば同じようなものは簡単に作れる。ある程度の工具は必要だけど。

端材を使った天板の制作

ぱっと見綺麗に見えるかもしれないが、全然フラットでもないし小傷もあるし隙間も多い。でも後でオイルとか塗るとそういうのもアンティーク加工みたいになるので気にしない。

注意

天板の幅をギリギリで設計すると、真上から見た時に隙間が見えてしまうかもしれない。シェルコンのたわみが理由なので個体差があるのかもしれないが、気になる場合は数㎝大きい天板の使用をおすすめする。

上から見ると天板より外側にシェルコン側板が見える
T字型で頭が大きくめり込みしにくいビス「おさえ上手」

今回は”おさえ上手”というビスを使ってレール受けを固定した。このビスだと本体に最初から開いている穴を通して、周囲に傷つけることなく固定できる。頭が低く突起が最小限で済むので見た目も悪くない。

DIYやってると使う場面は多いのだが、内容量が多すぎるようならこちらのような小袋を買うといい。

でも頻繁に着脱するようならM4ボルトと鬼目ナットのような組み合わせにした方がいいと思う。

レール取付木材の加工

今回最大の悩みどころだった。短手いっぱいの長さで直角にカットするだけだと、角のRや突起部分に干渉する。僕はこれを回避するためにあれこれ加工したが…

レール取付用木材の加工ポイント

単純に短く切ってしまう方がずっと簡単だと後で気付いた。いろいろ説明したが、何も考えずに350㎜の2×4を2本作ればOKだ。木材は写真のようにセンターに付けるが、レール自体は長手のツラに合わせて取り付ければ開口が狭くなることも無い。

組み立て

まずはレール取付用木材をビスで固定する。位置は大体センターで、ビス通し穴両方の裏に木材がかかっていればいい。クランプなどで仮止めして、ビス通し穴の位置に下穴を開けてからビス固定。

スライドレールの構造

スライドレールは上の写真のように分解できるので、Aをレール取付用木材の上面に、Bを天板の底面にそれぞれ固定する。

位置合わせ

まずレール(A)を取付用木材にビス止めする。レール本体の方が幅が広いので、外側を合わせて内側は少し浮いた状態で固定する。写真ではシェルコンから外しているが、取り付けたまま位置合わせしてOK。

続いて取り付けたレール(A)にレール(B)を差し込んで最大まで伸ばす。その上に天板を置いて裏からビス止めするだけで終了。

天板の取り付け方法

まぁこんな感じで付ければ大丈夫だと思う。

オイル塗装

そのまま使ったり普通の水性塗料でもいいけど、外で使う物なので水拭きできるオイル塗装がいいと思う。今回はESHAのクラフトオイルを使用した。

クラフトオイル塗装中の写真

手前が塗った後だけど、かなりイメージが変わる。濡れてるからと思われるかもしれないが、数回重ね塗りすると艶は消えるが色味は同じような感じになる。好みではあるが、キャンプギアにはこっちの方が合っていると思う。

耐水性もめっちゃ高いらしいので、僕はダイニングテーブルにも使用してて毎日水拭きしている。濡れたコップとか置いてることもあるが、水跡やシミも出ていないので場所を気にせず使える。

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低コスト代表のワトコオイルよりは高いが、そこまで大きな違いはない。こちらの方が粘度が高いので塗り面積は同量のワトコオイルより広くなると思う。着色が目的でなければワトコオイルよりこちらの方がおススメ。

結論:やってやれないことはない

作りは簡単なので誰にでも作れると思う。工夫次第でいくらでも改良の余地もあるし、失敗しても全く痛い金額じゃないと思う。品質に強いこだわりがないのなら、一度作ってみる価値は十分にあると思う。