以前オーソドックスな無地の壁紙の張り方を以前紹介したので、今回は柄物の壁紙を張っていこうと思う。基本的な張り方は変わらないが、無地の壁紙と比べると作業難易度はぐんと高くなる。
とは言え、素人では壁紙貼りの経験を積もうにも機会が少ないし、上達する保証もない。
そこで今回は「ミスの目立ちにくい壁紙を選ぶ事でスキル不足をカバーしよう」といったテーマで進めていきたい。
まぁ壁紙をそこらの人より多く張ってるただの素人なので、鼻でもほじりながら軽い気持ちで見ていただければ幸いである。
柄物の壁紙で起きる失敗
基本的な張り方は無地のものと変わらないので、無地壁紙の張り方を紹介した記事にも一度目を通しておくことをおススメする。
張り方自体は変わらないが、柄物の場合は「柄を合わせる」作業で難易度が一気に上がる。特に柄合わせでのみ発生するミスには注意しないと大変な事になる。
代表的な失敗2つだけど、そもそも柄の無い壁紙では起きない。無地の壁紙を張った経験があって、ちょっと自信ついちゃった人はこの失敗をやらかしそうな気がする。
ただこの辺のミスは油断や雑な作業で起きることが多いと思うので、気を付けて作業するだけでほとんど防げると思う。
でも、慎重に柄を合わせていくと今度はこっちのミスが起きやすい。しかもこちらのパターンのミスは次列以降にも影響するので特に厄介である。
柄物の壁紙を張るなら知っておきたい事
無地ならば別に知らなくてもいいけど、柄物なら知っとかないと困る点があるので紹介したい。結構大事な話だと思うんだけど、あんまり話題にならないのよね…。
壁紙はけっこう伸びる
日本で販売されている一般的な壁紙は『ビニールクロス』と言われるもので、糊をつける裏面は紙だが、表面はポリ塩化ビニールである。ビニールなので当然伸びる。
賃貸物件ならほぼ100%ビニールクロスだよ
ビニールクロスは破れにくいので貼るのが簡単だし、価格も安いし、デザインの選択肢もめちゃくちゃ多いといいことばかりである。でも伸びる。
実際には均一に伸びるわけではないので、歪むような形になることが多く、修正がくっそ面倒である。
場面場面で柄がズレないように必死になるほど酷くなるので、「多少のズレは許容しつつも壁紙を引っ張りすぎないようにする」考えの方がいいと思う。
柄の方向性によって難易度が変わる
あまりピンと来ないと思うので、画像で紹介したいと思う。今回の例は方向性のある木目柄の壁紙。
「どっちでも変わらんやろ」と思うかもしれないが、実際に張ってみると難易度がかなり違う。先ほど紹介した柄合わせミスをした場合、それぞれ以下のような感じになる。
ここにあげてないようなミスもあるけど、右の方が目立つパターンは数少ないと思う。
つまり「ロール方向と柄の方向性が同じで、境界で柄が切れているものはミスが目立ちにくい」ということである。市販の木目柄が縦方向ばかりなのはこれが理由じゃないかと思ってる。
不定形デザインはミスが目立たない
これまた分かりにくいと思うので画像で説明したい。今度はレンガ柄の壁紙を例に見ていこう。
どちらもよくあるデザイン。右のタイプはタイル柄と同様と思ってもらっていい。これが柄合わせでズレた場合*以下のようになる。
*比較のため、各壁紙の右半分を同角度傾けて同割合引き延ばし
つまり「不定形デザインの壁紙はミスが目立ちにくい」ということである。
近距離で見た場合は逆転することもあるけど、そもそも壁紙近くで見る機会なんてそんな無いよ!
初心者向けの柄物壁紙は?
ここまでの話を踏まえて、初心者におすすめの壁紙を数パターン紹介していきたい…が、何よりもまず「リフォーム推奨品」のような厚手壁紙の中から選ぶべきだと思う。
詳しくは以下の記事で紹介しているのでぜひ読んでみて欲しい。
柄の選択肢が減っちゃうと思うかもしれないが、有名メーカー品だけでも数百種類はくだらない。実際に今回紹介するのは全てリフォーム推奨品のみであるが、この中から絞るだけでも大変である。
その1.縦(ロール)方向の木目柄
まずは柄物としてはメジャーな木目柄。種類は多いのでリフォーム推奨品のみでも選択肢は十分。さらにミスを目立たなくしたいなら目地なしの柄がおススメである。
最初はシンコール製オーク柄。木目柄でありながら、無地張りが出来る珍しいタイプの壁紙。初心者やスキルに自信のない方には超おススメ。
このスペックは本当に珍しい!
続いてもシンコール製パイン柄。2×4材を使った家具なんか置いてる部屋とめちゃくちゃ相性がいいと思う。この手のデザインは多少ズレても目立ちにくいので、リアル木目柄が好きな方は候補に入れてみては?
またまたシンコール製オーク古材柄。カフェ的な雰囲気に合いそう。これまで紹介した物よりズレは目立ちそうだけど、かっこいいからどこかで使いたい。
ただの願望じゃん(;´・ω・)
続いてサンゲツ製のリフォーム推奨品。実際に我が家の寝室天井でも使用している壁紙。厚みがあるので不陸や破れに悩まなくていいのがありがたい。あんまり上手く張れてないけど。
エンボスが深いので不陸も誤魔化せるし、写真で見るよりリアルな質感なのもGOOD。
その2.不定形レンガ柄
こちらもメジャーな柄なので種類が多く、カラーも豊富。木目より尖ったデザインの物が多いので個性を出しやすいと思う。
まずはシンコール製ヴィンテージレンガ柄。普通のレンガ柄じゃ物足りない人におススメ。僕がいつか買いそうな柄の一つ。忘備録かよ。
続いてシンコール製のホワイトレンガ柄。「レンガ柄には憧れるけど、くど過ぎるのはちょっと…」みたいな方におススメしたい。部屋の雰囲気を選ばず使いやすいと思う。
次はシンコール製のノーマルレンガ柄。色の変化が緩やかで、目地の形状もバラつきが大きいので多少のズレは全く気にならないと思う。似たような柄の壁紙を張ったことがあるが、マジでミスが目立たない。
最後はサンゲツ製石積み柄。レンガじゃないけど特性は近いから許して。僕が実際にトイレに張った壁紙である。目地がランダムに入ってるのでズレが目立ちにくい。インパクトのあるデザインなので、アクセント的な使用がおススメ。
その3.柄や配置が不規則なもの
簡単に言えばごちゃごちゃしたデザインなんだけど、意外に使いやすい物もあるので探してみると楽しいかもしれない。
↑OSB合板の柄みたいなやつを想像していただければ良いと思う。ズレが目立ちにくそうなのは分かるよね?
おススメではあるけど、選択肢は少ないのよ…
まずはシンコール製木毛セメント柄。色味も柄も非常に使いやすいのではないかと思う。リノベーションなんかでは本物の木毛セメント板が壁材として使われることもあるらしい。
拡大するとこんな感じの柄なので、無地の壁紙に近い感覚で張れると思う。本物の木毛セメントだと掃除が難しかったり削れたカスが出たりするデメリットもあるので、あえてフェイクを選ぶのも良いと思う。
締めはシンコール製ドットモザイク柄。この柄もミスは目立ちにくいし、インパクトはあるけど悪目立ちしない良デザインだと思う。
あとオシャレ上級者っぽい感じがする。(小並感)
結論:技術不足は壁紙選びでカバーしよう
柄物壁紙は張るの難しいし、素人ならミスの一つや二つや三つや四つやってしまうのが当然である。じゃないと僕の立場がない。
だが、柄合わせのミスを目立たなくするだけでも許容できるレベルには仕上がると思う。
技術を磨くのは難しいが、この記事で書いたような壁紙を選ぶだけでも難易度は一気に下がるので、柄物壁紙に挑戦したい方はぜひ参考にしてほしい。
柄物壁紙の選び方まとめ
- 「リフォーム推奨品」のような分厚い壁紙を選ぶ
- 方向性のある柄は、ロール方向と同一の物を選ぶ
- 木目柄の場合は目地がないものを選ぶ
- レンガ柄の場合は、不定形のものを選ぶ
- 規則的な並びの柄よりも不規則配置の柄を選ぶ