今回は、DIYerならばいつかは作りたいと思うであろう大型家具に挑戦したい。
とは言っても、今回のベッドであればサイズが大きいだけで難しい工程はないので安心して欲しい。
作るのは、すのこタイプのシングルベッド。全長2m×幅1mなので超一般的なサイズだ。必要資材や寸法も紹介しているので、一番面倒なカット加工は全てホームセンターでも可能なはず。
初めてのDIYでも十分挑戦できるレベルの内容だと思うので、とりあえず一度は読んでみてね!
激安ベッドとの違いは?
激安ベッドは通販でよく見かけるけど、数値を見るとかなり不安になるスペック。すのこタイプのベッドなら板材の幅が狭いし薄い、フレームも同様。参考までに今回作るベッドと比較してみた。
今回作ったベッド | 某激安ベッド | |
---|---|---|
フレーム高さ | 200mm | 80mm |
すのこ板幅 | 89mm | 70mm |
すのこ板厚 | 19mm | 12mm |
すのこ枚数 | 16枚 | 14枚 |
材質 | 100%無垢材 (杉・SPF*) | フレーム:無垢材 すのこ:LVL(単板積層材) |
価格 | 材料費:約10000円 | 実売:約10000円 |
安くできるわけではないけど、材料は数ランク上のものが使える。それだけで強度は確保しやすいし、見た目にも差が出てくると思う。完成形の写真は最後に載せているので、よく見比べて欲しい。(先に見る方はこちら)
設計図
などと言えるようなものは用意していないので、完成形の寸法。今回作るのはシンプルなシングルベッドである。そこら辺のベッドより頑丈に出来てると思う。普通に使用してて軋み音は一度も聞いたことないし、揺れるようなこともない。
まずはベッドフレーム側。1x2材は1x4を縦割り(長手方向に2分割)して作るとお得。切断幅は大まかでいい。1x2の横桟は高さ方向が19mm、縦桟は上面幅が19mmになるように取り付ける。”取付向きが90度変わる”感じ。
脚の高さはフレームの下端からの突き出しが110mmになるように設定。どんなロボット掃除機も確実に通る高さ(らしい)。すのこ受けは272mmの脚と適当な端材の上面を合わせて中央に取り付ける。手前のフレーム内側にも必要。
次にすのこ側。こっちは見たまんまで分かると思う。1x4をそのまま使うので面倒な加工はない。すのこを2枚に分割してるので、取り外しも楽。でも板厚も幅もあるので、一般的なすのこのイメージで持つとビビるぐらいには重い。なので頑丈。コスト抑えたいなら横方向の本数を減らしてもいいかも?
材料と工具
ベッドの材料
フレーム材は上のような感じ。すのこ材は1x4のみ。材質はカフェ板のフレームが杉材で、その他全てSPF。購入するなら以下のような感じになる。
購入する木材
名称 | 長さ | 必要本数 |
---|---|---|
カフェ板 | 2メートル | 3本 |
2×4 | 6フィート | 1本 |
1×4 | 12フィート | 10本 |
この材料なら一般的なホームセンターに間違いなく常備しているのでいつでも買える。在庫数も多いので反ってる木材も回避しやすい。これで大体1万円ぐらいだが、ネット通販だとめっちゃ高くなるので近所のホームセンターで買おう。ただし12フィート材は基本ホームセンターでカットが必要。(寸法はこちら)普通車なら積めるサイズだし、デカめのSUVとかならベッド2台分でも余裕でいける。もちろんトラックレンタルでもOK。
電動工具
必須工具1つ目はインパクトか電動ドライバー。長めのコーススレッドを使うし使用本数も多いので、手作業だとめちゃくちゃキツいと思う。
僕の使ってるドライバーは先端がいろんな工具に付け替えれる特殊なやつなので、単体でインパクトドライバーだけ必要なら以下のような製品がいいと思う。
僕みたいな素人DIYなら10.8Vでパワーは十分だし、ドライバーだけで使用するなら1.5Aでも相当な本数ビス打ちできる。充電中にもう一方のバッテリーを使ってても十分間に合う。
有線式の工具はコスパがいいのだが、高所や狭所でも使う機会の多いドライバーだけはバッテリー式をおススメする。
次にランダムアクションサンダー。ダブルアクションサンダーも同じなのでそっちでもいい。これ無しで大型家具作るのは苦行だし、僕は絶対やりたくない。あと安いからってオービタルサンダー買うと多分後悔する。詳しくは以下の記事で紹介している。
丸ノコも必須レベルではあるのだが、先にしっかり設計してホームセンターのカットサービスを使うなら手のこだけでも十分いける。
工具を買わずに作るなら
もしベッドしか作らないとか今後DIYはしないとかいうのであれば、ホームセンターでの工具レンタルをおすすめする。丸ノコ・サンダー・ドライバーそれぞれ別日で1日レンタルすればいけると思う。
しっかり計画しないと間に合わなくなると思うけどね💦
その他あったら便利な電動工具
僕はスライド丸ノコとジョイントカッターも使ったが、もちろん無くても問題ない。でも超絶便利かつ買ってよかったものなので、後日ちゃんと紹介しようと思う。
クランプ
木工やるなら絶対必要になるし使用頻度も高いやつ。いろんなサイズのクランプがあれば便利だが、今回のベッドならボンド塗ってコーススレッドですぐに締結しちゃうので、仮止め用に2個あれば十分だと思う。他にも何か作る予定ならセット品買っといた方がお得。僕が使ってるのは下のクイックバークランプのセット品。ハードに使ってるがなんの不満も無い。
消耗品
コーススレッド
自分が使用したのはコーススレッドの25㎜&65㎜とスリムビスの40㎜。違う長さ使っても全然OK。コスパ重視ならホームセンターで大箱買うのが最強。一生使いきれない可能性はあるが。
ボンド
大型家具や強度が欲しい場合はタイトボンド3を使ってる。接着強度が木工ボンドの最高峰と言われてるので、お値段は高いものの安心感がある。ホームセンターよりネットが安い印象。
サンドペーパー
ランダムアクションサンダーを使うならΦ125のペーパーが必要になる。番手は#120と#240が数枚あれば足りる。ホームセンターだと選択肢が少ないので、ネットで買った方がいいと思う。逆にハンドサンディング用ならホームセンターでばら売り買った方がいい。
塗料(オイル・ワックス含む)
塗装でもいいんだけど、せっかく無垢材使うならオイルやワックスの使用をおすすめしたい。今回は超メジャーなBRIWAXのラスティックパインを使った。水には弱いがベッドフレームなら問題ないだろう。これもネットの方が安い。
加工
材料切り出し
ベッドフレーム側の材料はこんな感じ。丸ノコが無い場合1×4の縦引きが難点だけど、6フィート材までならホームセンターで対応してくれると思う(僕の行きつけのとこはOKだった)。2×4の端材部分はフレーム中央のすのこ受けに使おう。
僕は脚を斜めカットしたが、別にやらなくてもいい。ニトリで見たベッドがこんな脚だったので真似してみただけ。ちょっとオシャレに見える(と思う)。この加工はスライド丸ノコがあると一瞬でできる。
ぶっちゃけかなり端材が出てしまう。端材出したくない人は、すのこの横幅を910㎜にするのもアリだと思う。でも丁度いいサイズのマットレス探すのが大変かもしれない…。
まぁ余るのは700㎜以上の1×4材なので、汎用性は高い。他にも木工やる人ならすぐに使い切れる。
サンディング
組み立て後にやる人もいるだろうが、僕は先にやる派。使う番手は#120から始めて#240で終わりでいいと思う。今回の木材はプレーナー材*1だけなので、サンディングは楽な方。面取り*2も不要。でも電動サンダーじゃないとやっぱりしんどい。
*1プレーナー材:荒材に機械でカンナ掛けされたもの。表面がそこそこ滑らか。
*2面取り:角を落とすこと。角を丸めるR面取りや45°で落とすC面取りがある。
組み立て
コーススレッドとボンドの併用(以下ビス固定)で、特に難しい組み方や加工はしていない。利点はボンドの乾燥待ちが不要で誰がやっても高強度にできる点。欠点はビス頭が見える点だが、皿取り錐と埋木錐を使ってビス打ち箇所が目立たないようにした。効果は高いし、作業も簡単なのでおすすめ。詳しい方法は後日。
ベッドフレーム
まずはフレーム4枚を組んでいく。カフェ板は片側が溝で逆側が山型になっているので、山型の方を上にして長手方向から65㎜ビス固定。ビス打ちの深さは埋木しないならフレームの面で止めていい。
次に組んだフレームをひっくり返して脚をつける。こちらも65㎜ビス固定。図の通りやれば、ほぼ同じ高さで取り付けできる。噛ませる木材(緑or水色部分)は、全ての脚で同じものを使うとズレが出にくいと思う。
またひっくり返して、桟の取り付け。横桟は真ん中の短い脚に乗せて40㎜ビス固定。縦桟は横桟と長い脚の上面とツライチになるように40㎜ビス固定。中央の縦桟受けもここで取り付ける。長いビスを使う場合は、フレームの貫通に気を付けよう。
すのこ
長手方向に965㎜を3本乗せて、その上に938㎜を8本乗せる。ここはボンド使わずに938㎜材1本につき25㎜ビスを6本使用。寝具に引っかからないようにビスは埋め込むように少し深めに打つ。横板やビスの本数はお好みで調整して欲しい。
ワックス塗布
あとは外観の問題だけなので、お好みの方法で仕上げればいい。先にも言ったけど、無垢材使うならおすすめはオイルかワックス仕上げ。
今回はBRIWAXのラスティックパインを専用スチールウールで塗布してみた。塗りやすいし仕上がりもウエスよりいい感じだけど、別に専用品じゃなくてもいい気がする。次はトラスコの#0000買うと思う。
作業方法はスチールウール(ウエスでも可)にワックスつけて塗り込む。その後、20分ほど放置してウエス等で拭き取り。ムラがあったり艶や色の濃さに不満があれば再度繰り返せばOK。誰がやってもまず失敗しない。だからこそ人気なんだろうね。
注意点としては気温が高い夏場なんかだとワックスが液化して使いにくいので、使用前に冷蔵庫とかで冷やしておくと使いやすいと思う。あとスチールウールはどんどん擦り減っていくので、ケチらずに使おう。
完成
大変なのは設計・材料カット・サンディングのとこまでで、それ以降で苦労はしないと思う。設計はここの流用かアレンジでいいし、カットもほぼホームセンター任せでいける。さらに使用してるのがプレーナー材だけなので、サンディングもかなり楽。
初DIYでも十分作れるし、見栄えも悪くないのでぜひ挑戦してみてね。