ウォークインクローゼットをDIY|後付けWIC

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以前壁紙を塗装した寝室奥の小部屋だが、ウォークインクローゼット(以下WIC)に丁度良さそうな広さだったので作っていこうと思う。

構造は単純なので、場所さえあれば誰でも出来ると思う。完成に近い写真と特徴を紹介しておくので、お気に召したらご覧いただきたい。

ウォークインクローゼット作成途中の写真と制作ポイント

今回は収容量を重視したので、ロングコートなどは高さが足りず裾を引きずる。下段の天板外せば対応できるので、お好みで調整してもらえばOK。SKUBBは3ピースで販売している小さいサイズ(31×34×33㎝)を使用。

使用する材料

今更WICについて語る必要もないと思うので、早速材料から。

ウォークインクローゼットの材料

寸法は部屋に合わせて調整。天板以外は12フィート(3.6mぐらい)までならホームセンターで売っている。広くない部屋ならこれで十分対応できる。天板はフレームの上に載せて固定するので、1枚ものじゃなくてOK。

ステンレス巻きパイプ

「ステンレス巻きパイプ」と「オールステンレスパイプ」の2種類があるが、見た目は変わらない。ステンレス巻きパイプはオールステンレスと比較すると、耐荷重が若干高い・重量が若干重い・価格がほぼ半額などの特徴がある。WICでの使用ならサビる事もないだろうし、ステンレス巻きパイプをおススメする。

ネットで買うとめっちゃ高いからホームセンターで探そう

パイプの太さは25㎜と32㎜があるが、大量に服をかけるつもりなら32㎜が安心。全長は3650㎜の物をパイプカッターでカット。簡単に切れるし、切断面も綺麗なので鋸よりこちらがおススメ。

ちなみにホームセンターのカットサービスも利用可能。ただし1カット60円(店による)でパイプカッターを使用しての手動カットなので、複数同時カットなども出来ないし精度も変わらず。

フレーム材(2×4・1×4)

骨組みに使用するのは2×2の寸法の木材だが、2×4を縦挽きして使用した方が圧倒的にコスパがいい。6フィートを超える長い材料の縦挽きはカットサービスで対応できなかった。縦挽きを手ノコでやるのは難しいが、丸ノコと丸ノコガイド定規があれば綺麗かつ簡単にできる。

*縦挽き(たてびき):木目と平行に切断すること。2×4などは長手方向に切断する。

ガイド定規は長めのものを買っておくと次に行う天板などのカットでも役立つ。ただし、長すぎると取り回しが悪くなる。ちなみに僕は60㎝を買った。

前板として1×4を使用したが、これはお好みで。単に手間がかからず低コストなので採用。

天板

これもお好みでいいが、剛性が高いに越したことは無いので12㎜合板がおススメ。9.5㎜と価格もあまり変わらないしね。正面から見えないように作るので適当な合板でいい。僕は家に余ってた針葉樹合板の12㎜を使用した。

今回天板に使用する針葉樹合板

長さがバラバラだが、組み合わせて全面が埋められればいい。新たに買うならホームセンターで山積みになってるサブロク板を切断して使用。こちらはホムセンのカットサービスでも対応可。

木材の準備が出来たらそのまま使用することも出来るが、最低でも合板表面と縦挽きの切断面ぐらいはサンディングすることをお勧めする。手作業でもできなくはないが、そこそこの量なので電動サンダーを使用した方がずっと楽。詳しくは以下の記事で紹介。

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計画

まずは間取りとフレームとなる2×2の組み方を紹介していく。

取り付け詳細寸法とブラケットの選定
パイプとブラケットはこの時点では取り付けない

ブラケットはパイプ上方間隔が短いものを選ぶとハンガーの掛け外し時に引っかかる可能性があるので、選択肢がある場合は長いものを選んだ方が良い。

900㎜間隔にしているのは間柱*のある位置に合わせているため。我が家と同じ2×4住宅ならこの寸法で通用すると思うけど、ズレが生じる可能性もあるので下地探しを使用した方が確実。

*間柱(まばしら):石膏ボードなどの下地材を止めるための柱。日本の2×4建築だと455㎜ピッチで入っている模様。

上面図の縮尺はてきとうなのであまり気にしないで欲しい。これを上下2段構成で作っていく。写真にあるように両端になる位置には(止)のブラケット、間には(通)のブラケットになるので間違えないようにしよう。

パイプの位置に注目して欲しいのだが、ポイントは上図のようにパイプブラケットを中央より手前に付ける事。

パイプの奥側が300㎜未満だと服やハンガーがつっかえる可能性があるので、最低でも300㎜は確保したい。僕は手前:奥=1:3の寸法になるように作ったが、悪くないと思う。もちろんこれには深い理由がある。

パイプを中央より手前に付ける理由

部屋が広く見える

もし中央にパイプをつけるとなると600㎜の突き出しになるが、今回のような狭い部屋だと圧迫感が出る。もっと狭い部屋なら着替えもやりにくいだろう。WICにしたいような場所は狭い部屋が多いと思うので、結構大事。

服が探しやすく、取り出しやすい

ハンガーのかけ外しがやり易くなるのもあるし、服に照明が当たって見やすいというのもある。

ハンガーパイプ取付位置のポイント

天板の奥行きも自動的に400㎜になるが、この寸法ならSKUBBもはみ出すことなく載せられる。特に中央につける利点も思いつかないし、この通りでいいんじゃないかな?

フレームの組み方

先ほどの図の形に組めればどんな方法でもいいけど、僕のやった方法を紹介しておこう。ベストな方法じゃないけど、コストは一番かからないと思う。

まずはベースとなる2×2材を壁に固定していく。先ほど紹介した下地探しを使って下地のある個所でビス止めする。下地探して止めたものの、ぶっちゃけボードアンカーでも耐えられそうな気はする、たぶん。一応ボードアンカーについての記事も紹介しておこう。

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最上段にSKUBBを置くなら上段フレームは天井から400㎜以上空けよう

この規模になってくると、百均の水平器ではズレが生じる。写真のような大きめの水平器を使用することをおススメする。

据え付けタイプの家具を作るなら最低でもこのぐらいのサイズの水平器をもっておいた方が良い。欲を言えばレーザー墨出し器があると更に捗るので、いずれ別記事で紹介したいと思う。

ビス止めの注意点があるのだが、言語化するのが難しいので写真で解説する。

通しブラケット部側面図
ブラケットと天板はまだ付けないでね!

イメージはこんな感じ。またしても縮尺狂ってるけどご勘弁を。間柱との接続がビス一本で不安に感じるかもしれないが、天板を渡してるので意外に大丈夫。ガッツリ洋服掛けてるけど特に問題ナシ。

金折れ使用時のビス止めイメージ

ビスの斜め打ちは下穴錐である程度穴を開けてから、表面から頭が突き出さないように止めた。確実に止めるなら補強金物を使用して固定した方がいい。また、この固定方法だと長手方向のフレームとビス打ち位置がかぶるので微妙にズラすか斜め方向に打って回避する必要があるので、やっぱり金折などの金物固定がおススメ。

正面側の2×2フレームを前からビス止めしてこの工程は終了。

正面フレームの固定方法(2パターン)

僕は端材を使いたいがために右の方法にしたが、絶対に左の方法がおススメ。もう一度作るなら間違いなく左の方法でやる。

パイプ&ブラケット固定

まず必要な数の通しブラケットをパイプに通して、両端の止めブラケットをフレームに固定していく。両端のブラケット固定位置さえきっちり合わせれば、通しブラケットの位置は自然に決まる。

特に難しい事はないが、天板を載せるより先にやった方が作業しやすいと思う。

天板固定

天板をフレームに載せてビスで固定する。普通に使用してて目に入る位置でもないので、ビス位置がかぶらないように固定するだけ。

天板固定方法

前板取り付け

外観を良くするためのものなので、木工用ボンドなどの接着剤で固定するだけで十分。1×4材を使用するなら上下中央位置に固定すればOK。服の取り出しやすさを優先なら下面合わせにすると良い。僕はSKUBBを引き出すのに引っかかるのが嫌だったので上段だけ上面合わせにした。

SKUBBが最上段にぴったり入る

完成

今回は面倒くさかったので塗装などは行わなかった。もしオイル塗装やワックス塗装などをする場合は、塗装後しっかり乾燥させてから服をかけよう。もし色移りしたら取れないと思う。

結論:WICのDIYはコスパ抜群

こういった据え付け型の家具?は業者に依頼すると、とんでもない価格になると思う。もちろんクオリティーは雲泥の差だろうが、僕は今回のもので十分満足している。人に見せるような場所でもないしね。

後々平置きの棚なども簡単に増設できるし、下段の天板をカットすればロングコートなどもかけれる。コスト面以外にもDIYならではのメリットも多いので、挑戦してみてはいかがだろうか?